八峰町の小さな町に突然現れるような、おしゃれなカフェにたどり着いたのは偶然だった。駅から歩いて5分もかからない場所にあって、電車で行くのにも便利。観光ついでに立ち寄るにはちょうどいい場所だ。店の外観はなんともモダンで、木と石を使ったデザインが目を引く。中に入ると、窓から差し込む自然光が店内を明るくし、天井の木調の天井が落ち着いた雰囲気を演出している。ここはカフェというより、まるでアートギャラリーのような空間だった。特に注目したのは、カフェの奥にある水場や苔をあしらったディスプレイ。自然と調和した造りが、何とも心地よい。
ランチを注文したのは、地元のパン屋とコラボしたクロワッサンや、秋田名物のいぶりがっこをトッピングしたピザ。どちらも驚くほど美味しく、味のバランスが完璧だった。ピザのいぶりがっこはカリッとした食感と燻製の香りが、生地とよくマッチしていた。クロワッサンはサクサクで、パン職人の言葉通り、手間がかかっている感じがした。ランチのワンプレートにはキッシュやスープ、サラダが付いていて、どれを食べても満足感が得られる。特にキッシュはふんわりとした食感で、もう一品欲しくなるほど。ただし、コーヒーは少し物足りない印象だった。香りが弱く、味に深みがなかったからだ。エスプレッソも少し苦味が強く、残念だった。
カフェの特徴は、限定酒や新酒の販売。山本酒造店の日本酒が特に人気で、試飲セットも用意されている。特に注目したのは、非公開米で造られた35%精米の酒。甘口で、後味がスッキリとしていて、とても飲みやすかった。また、酒粕で作ったクラッカーも美味しく、スイーツのマカロンも人気があるようだ。店内には地元の素材を使ったお土産も並んでいて、買って帰る人も多い。ただし、酒蔵の見学はできないので、そこは少し残念だった。
カフェの雰囲気は、カップルや家族連れが多かった。特にランチタイムは混んでいて、子供用のキッズスペースも用意されていて安心。ドッグフレンドリーなこともあって、飼い主の犬を連れてくる人もいた。お手洗いも清潔で、全体的にこだわりが感じられた。接客は丁寧だったが、料理の説明が少なかったのが少し物足りなかった。例えば、ピザのいぶりがっこが特別な理由や、クロワッサンの作り方について教えてくれたら、さらに満点だったかもしれない。
全体的に、カフェでの時間を楽しめた。ランチが美味しいだけでなく、おしゃれな空間でくつろげるのも魅力だ。日本酒好きには特におすすめで、限定酒を味わえる機会は貴重。ただし、コーヒーが物足りない点は少し気になった。それでも、八峰町を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたい場所だ。自然と調和したデザインと、地元の食材を活かした料理が、心地よい時間を提供してくれる。